カビ(真菌)は、本来土壌の中で他の微生物と共存し、植物などに寄生していました。
成長すると、空気中に胞子を飛散させ、塵や水蒸気などに付着して空中を移動し
あらゆる物に付着・増殖した胞子は、カビ菌糸の摩擦により静電気を出して
さらに汚染物質を吸着させ、コロニー(集落)を拡大させていきます。
カビ(真菌)の育成条件
●温度・・・0~50℃ 適温は20~28℃ (70℃以上でも死滅しないものもある)
●湿度・・・70%以上
●PH・・・4~8の微酸性
●酸素・・・好気性で、酸素が欠乏すると死滅する
●栄養・・・有機物質では糖分などの炭水化物や脂肪類、
無機質では窒素化合物、硫黄、リン、その他金属及び微量生育因子
とても怖いカビにまつわるお話・・・
カビを放置しておくとカビの勢力が増し、カビが原因となる病気が増えてきています。
室内・お風呂・ペット等々。健康被害を引き起こすカビがあなたの身近にあるのです。
●感染症 真菌(カビ)の感染症は、3つに分けられます。
①表在性真菌症は皮膚や爪、毛髪などの表層に感染が止まり、
皮下の組織にまでは波及することのない真菌症
※代表的な疾患例 / ・白癬 ・表在性カンジダ症 ・皮膚マラセチア症
②深部皮下真菌症は感染が皮膚表面に止まらず、真皮や皮下組織、
さらに深部へと真菌が侵入する真菌症
※代表的な疾患例 / ・スポトリコーシス ・クロモコーシス
③深在性真菌症は体内の臓器や組織が真菌で侵される真菌症
※代表的な疾患例 / ・アスペルギルス症 ・カンジタ症 ・クリプトコックス症 ・接合菌症
●カビはアレルギーの原因にもなる
アレルギーを持っている人やお肌の弱い人にとって、カビは手強い敵。
呼吸によって浮遊しているカビの胞子を吸い込むことで、カビの胞子が
アレルゲンの原因となり、カビのアレルギーを引き起こすことがあるからです。
よくあるのが、気管支ぜんそくや鼻炎など多く見られます。
●カビによる過敏性肺炎が増加
カビが原因の肺炎の一つに、アレルギーによる過敏性肺炎=夏型過敏性肺炎が
あります。室内に発生するカビの一種「トリコスポロン」の胞子。
このカビの胞子を吸い込むたびに、咳などの症状が繰り返し起こるようになります。